[0470-trip 001] 那古〜岩井

休日の午後にでも、ちょっとお出かけしてみる0470-trip。
第1回目は那古から岩井あたりを行ったり来たり。


01: 旅は腹ごしらえから
富浦の釜新でイカメンチ買って、向かいのパン屋でコッペパン買って、イカメンチサンドにするんだ!と思ったら、パン屋がお休み。イカメンチだけじゃあとでお腹空くよね、ということでもう1軒。 那古船形駅から崖観音へ向かう一本道の途中に、まるじゅうという焼きそば屋があって、焼きそばの値段(300円)にも驚くけれど、ゼリーフライという謎のメニューが気になり、頼んで出てきたのがこれ。埼玉は行田の名物B級グルメだそう。








 那古の海辺 : 02
ついでなので、海岸まで足をのばす。綺麗な層を描く砂岩が波で削られてできた、柔らかな曲線、不思議な形、振り返ると遠くに崖観音の赤いお堂があって、海岸の地層とお堂が立つ崖の地層と、繋がっているように見えた。
岩のベッドの上には天然の寄せ植え。 海岸の植物は、肉厚だったり毛むくじゃらだったり、名前がわからないから、今度は図鑑を持って来よう。







03 : 大房岬のクリフ
 房州っ子には臨海学校でおなじみ、大房岬へ。ここは大きな公園になっていて、遊歩道も整備されて、途中芝生の広場もあって、でもたかが公園とナメていると大自然からカウンターパンチを食らう。 遠くから見ても十分スケールアウトした崖なのだけど、近づくとその造形とサイズに言葉を失う。今もそれをなんと表現していいか分からないので、沈黙しておく。


やっぱりフリークライミングの人とかは挑戦してみたくなるのかな?とか、いや、これは登れないでしょさすがに、とか言いながら見上げる崖の上では、鳶が気持よさそうに旋回していた。目の前は東京湾。遠くにタンカーらしき船影が見えた。 ちなみに、帰り道はこの崖下から崖上の遊歩道までを階段で一気に登るので、ちょっとした山登りとなる。











増間島、あるいはライオン岩、またはインディアンの横顔 04
崖の北側に、小さな島というか、岩がある。名前は増間島。展望台の但し書きによると、増間は三芳あたりの旧地名だそうで、増間村の川の中にあって祀られていた岩が、大雨で流されてしまったので探しに出た村人たちがここでこの岩を発見。似てるね!これだよ!ということで村まで引いて帰ろうとしたのだけどビクともせず。仕方ないので村の名前を付けて帰った、と。かわいい言い伝え。よく見ると、横顔っぽい。ライオンとか、インディアンの酋長とか。

房総の木 : 05


大房の園内で見つけた椎の木。どこかで見たことあるぞ、これヤン・シュヴァンクマイエルの「オテサーネク」だ!前々から思うのだけど、房総の新緑は、ぜんぜん爽やかじゃない。なんともいえずテラテラして、エネルギーに満ち溢れ、こっちに迫ってくるようで、風薫る、なんてものじゃなく、何かを発散している。実際、この時期の房総の空気ははっきりした緑色の味が付いている。この木も、オテサーネクなのは形だけじゃなくて、周りの山全体が発している圧力が加わって、ほんとに生き物みたいに見えてくる。


06 : 岩井の小屋
日が暮れるまで時間があったから、少し北上してみる。岩井に入るあたり、国道の1本裏手、細い旧道沿いには素朴な感じの作業小屋とか古い民家が並んでいる。びわ農園の庭に、たくさん人が集まって枇杷もぎをしていた。内房では、農園じゃなくても庭に枇杷の木を植えている家は多い。空き家の庭先から枇杷の実をひと粒、失敬してみたら、とても瑞瑞しく強く香った。名前の分からない立派な庭木に、手のひらくらい大きな白い花が咲いていて、木蓮に似た甘い匂いがした。






夕焼けを探して : 07
朝には雨降りだったけど、昼には曇りになって、夕方近くなって日が差してきた。これは夕焼けが見られるかも、ということで、ベストスポットを探索、たどり着いたのは、0号でも取り上げた原岡桟橋。富浦のイカメンチで始まり、富浦の桟橋で終わる本日のショートトリップ。





















夕焼けはお日様が沈んでからのほうが美しい。空と、それを映す海の色が、オレンジからピンクへ、最後はブルーに暮れなずんでいくのを桟橋の先端に腰掛けて眺めた。目の前で、大きな魚が2度ほど、ぽちゃん、と跳ねた。